55インチのディスプレイでは、3H(Hはディスプレイの高さ)の観視距離は204cm画角は30度、1.5Hは102cm、60度、0.75Hは51cm、100度になります。

 視聴位置として,ディスプレイ中心と,左右方向にそれぞれのディスプレイの1/4 の距離だけ移動した3 条件を設定しました.


 平均注視位置は観視距離によらずほぼ画面の中央ですが、視距離が3H→1.5H→0.75Hと近づくと、視聴位置による違いが大きくなることが分かりました。

高精細画像の近距離視聴における観視距離と視聴位置の効果

本文へジャンプ 2016年2月2日 
 映像の標準的な観視距離は視力1.0の人が見ても、ディスプレイの画素構造が見えない距離として決められています。2Kと言われているハイビジョンに比べ、4K、8K画像では、より近くから広視野の画像を楽しむことができます。近距離から広視野で視聴した場合、観視距離,視聴位置により、注視位置や注視範囲が変化する可能性があります。
 そこで、4K解像度映像を観視距離と視聴位置を変えて視聴した際の人の視線の動きを測定し、注視点の分布から検証しました。
実験では,観視距離を画面の高さの0.75 倍(0.75H,51cm)と1.5 倍(1.5H,102cm)、3 倍(3H,204cm)の3 条件、視聴位置を画面中心から画面幅の約4 分の1 移動した左,右と中央の3 条件に設定し、3 種類の映像視聴時の視線の動きを眼球運動と頭部運動から測定しました。その結果、注視点の分布に関して映像種類、観視距離、視聴位置によらず画面全体に広がり、平均注視位置については画面中央に集まることが示された。しかし、視距離3H に比べ、1.5H、0.75H では映像種類、観視距離、視聴位置の互いの関係についてそれぞれの条件間で、画面上の注視位置に有意な違いがあることが示されました。


参考文献)高比良英朗、望月信哉、山田光穗:観視距離と視聴位置を変化させたときの視線分析、信学会誌,Vol.J99-D,No.3,pp.-,Mar. 2016

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3H視聴での平均注視位置と注視点分布  1.5H視聴での平均注視位置と注視点分布 0.75H視聴での平均注視位置と注視点分布